Messages from Students現役生のメッセージ

  • 山根広暉 Koki Yamane山根広暉 モーションコントロール研究室 知能機能システム学位プログラム博士前期課程を卒業した山根広暉です。私は大学入学前は東京高専に所属し、授業や課外活動のロボコンなどで情報工学や機械設計などを学びました。これらのスキルを活かした研究をしたいと考え、筑波大学工学システム学類に3年次編入、その後大学院に進学しました。 研究室では、マニピュレータに柔軟な動作を行わせる力制御と機械学習を組み合わせることで、従来では困難であった複雑な動作を実現する研究を行いました。高価なマニピュレータや機械学習用サーバ、高精度な3Dプリンタなど、個人では用意できないような恵まれた設備を使った研究を行うことができ、成果を論文誌に公開することができました。論文誌への投稿を通して、技術だけでなく、研究とは何か、成果が研究として認められるためには何が必要なのかといったことを多く学ぶことができたと思います。 また、研究以外では、食品工場のロボット化に取り組む筑波大学発ベンチャーで開発に関わったことは、非常に大きな経験になったと思います。筑波大学は起業支援が盛んで、実際に起業した人が少なからずいるというのは大きな刺激になりました。 今後は博士後期課程に進学し、研究をさらに突き詰めていきたいと考えています。
  • 大木 美加 OKI Mika大木 美加 人工知能研究室 皆さんは、ご自分の理想像と現状との乖離に、もどかしい気持ちになったことはないでしょうか。今できる事を一歩ずつ積み重ね、自分が楽しいと思うことに目を向け、人とのご縁を大切にする。このことで、想いが叶うのだということを、私は今、実感しています。博論では、これまで携わったミライの体育館®という研究の成果をまとめました。これは、筑波大学附属大塚特別支援学校の体育館を実証の場とした、情報工学・発達心理学・医学・特別支援教育分野の協働による学際研究です。大規模床面投影を用いて子どもたちの行動を支援する研究ですが、本研究を通して、大変多くの方々とのご縁と繋がりに恵まれました。日々研究に打ち込む大勢の学生からの刺激や、議論の場の提供を惜しまない大学からのご指導により、人間と人工物のインタラクションを可能とする技術に対して、有用な知見を見出すことができました。この中で、研究を続ける原動力となったのは、現場の子どもたちの笑顔でした。そして、携わった多くの皆さんが、私を笑顔にしてくれたと言っても過言ではありません。コロナ禍により、人と人との繋がりの大切さを多くの人が感じたことと思います。私も微力ながら、人と人とのコミュニケーションが豊かになる技術を提供することで、多くの方々が笑顔に満ち、快適な生活を送っていただける世の中となるよう、貢献をしていきたいと思います。
  • 田端 佑至 TABATA Yushi田端 佑至 通信システム研究室 大学院では,音響システム研究室(通信システム研究室)に所属し,水中音響通信技術の研究に取り組みました.通信技術の研究をしようと思ったきっかけは,学類三年時に受講した通信工学の授業が大変興味深く,もっと深くまで学んでみたいと思ったためです.実際に研究を行ってみて,私にとって音響システム研究室は,最高の研究環境だったと言えます.その理由として,(1)先生方や先輩方のサポートが手厚いこと,(2)目標を持った学生が多いことが挙げられます.(1)について,私が研究を始めた当初は,何から手を付けて良いか分からない状況でしたが,指導教員から研究の進め方,論文の書き方,発表の仕方など一から丁寧に教えて頂きました.また,様々な研究分野の先生方や先輩方が在籍しており,日頃から多角的なご意見を頂くことが出来ました.(2)について,音響システム研究室では,多くの学生が学会発表や論文投稿を目標として研究を行っており,切磋琢磨し合える環境でした.私自身,成果が出ず辛い時もありましたが,仲間の頑張る姿を見て,自分も負けていられない,とモチベーションを維持して研究を行うことができました.大学院修了までに英語の査読付き論文誌に論文が3編掲載されたことで成長を実感しており.改めて進学をして良かったと思います.
  • 野口 洋平 NOGUCHI Yohei野口 洋平 田中文英研究室 筑波大学や知能機能システム学位プログラム(IMIS)には、私たち大学院生が研究に専念するための充実したサポート環境が用意されています。その中でも、博士後期課程に在籍する私にとって特にありがたかったのは、なんといっても経済面でのサポートです。まず、筑波大学には、私たちの授業料や入学料を免除してくれる制度があります。IMISでは多くの学生がこの制度を利用しており、私自身も大学院ではそれらをほとんど免除していただけたので、とても助かりました。またIMISでは、研究を頑張って成果も出していくと、日本学生支援機構の奨学金が返還免除になるチャンスがあります。数百万円の返還が一度に免除になる可能性もあり、奨学金を借りられる方は積極的に論文を書いていくのがオススメです。さらに、IMISのすべての学生は、学振特別研究員DC採択への手厚いサポートが受けられます。複数教員とTAがつきっきりで申請書類のブラッシュアップを手伝ってくれるので、とても心強いです。他にもIMISには学生を研究補助員としてアルバイト雇用してくれる研究室も多々あります。このように恵まれた環境をフルに活用して、ぜひ大学院での生活を有意義なものにしていただければと思います!
  • 樋口 永祐 HIGUCHI Eisuke樋口 永祐 機械システム研究室 知能機能システム学位プログラムの特徴として,研究活動を進めるうえで必要となるスキルが習得できる講義が多くあることが挙げられます.どのような研究を行うにしても論文を読むことになりますが,その際論文の理論や成果を十分理解するには多かれ少なかれ数学の知識が必要になります.知能機能では基礎的な数学の講義が用意されており,論文を読みこなせるまでには至りませんが,大学レベルからのステップアップの手助けをしてくれます.その他にも研究活動を行う中で使うであろうツール,例えばSolid worksやSimulink,の基本的な使い方を習得できる講義があります.このような講義に加え,先生の手厚いサポートや研究室のメンバーとのディスカッションのおかげで,学会発表やジャーナル論文の投稿などをすることが出来ました.その中で大変なこともありますが,自身の成長につながる貴重な経験であったと感じています.今までの大学院生活を振り返ると,筑波大学周辺に多くの研究機関があったり,研究のサポートをしてくれるカリキュラムであったり,大学院で研究に打ち込みその分野を極めていきたい人にはお勧めできる環境が揃っていると思います.
  • 翠 健仁 MISU Kenji翠 健仁 柔軟ロボット学研究室 研究室では朽ちるロボットや小学生向けのロボット工作キット、子供と遊ぶロボット、階段を踏破するロボットやダチョウ首を模したアームを開発しました。文字に起こすと何をしていたのかわからないですが、総じて面白いこと楽しいことを素直にやった結果のようにも思います。これら多様な経験は所属していた柔軟ロボット学研究室で参加した様々なイベントや研究会などから生まれたものです。時にはこれらの成果に対して論文採択、賞の受賞といった評価が頂けたこともありました。しかし、そういった評価の有無よりもこれらのイベントや研究会を通じて得た、人々との縁がどんな成果よりも大切な宝物となりました。これら多様なロボットを開発するための設備が知能機能には揃っています。また、イベントや研究会を経なくても隣の研究室の扉を叩けばそこには面白いアイディアの種がたくさん転がっているのも工学分野を幅広く取り扱っている知能機能ならではの特徴のように思います。実現する設備、環境は整っています。あとはそのためのアイディアを、自分だけの視点を、やり抜く情熱をもって取り組めば結果は後からついてきます。
  • 濱上 立季 HAMAGAMI Ritsuki濱上 立季 音響システム研究室 私は新しい水中無線通信の手段として注目される水中可視光通信に関する研究していました.研究を進める中でまず感じたことは,本学は学内の多様な研究施設を利用したり,周辺の研究機関と連携したりし易い環境が整っており,研究を進めるには絶好の環境であるということです.私自身も本学のセンターが有する造波水槽を借りて実験を行うことができました.また,本学位Pのカリキュラムも研究活動にあたって大きく役立つものでした.例えば他研究室の学生と互いの研究計画書を添削し合う「研究調書演習」では,多くの場面で必要となる「伝える力」を鍛えられました.旅費支援や発表に伴う単位の認定といった,研究発表を支援する制度にも支えられました.加えて,所属する音響システム研究室には多くの発表機会をいただき,研究成果をアメリカの査読付雑誌論文へ掲載することも叶いました.大学院では自ら課題を設定し,解決手段を考え,主体的に行動する力が必要とされます.答えのない課題に取り組む中で,結果が出なくて焦ることも多いと思いますが,その分結果が得られた瞬間は,その時,その領域において,まだ見ぬ未知の地平を切り拓いたという格別の記憶として残るかと思います.進学される皆様には,その時が来るのを心待ちにしつつ,まずはじっくり腰を据えて考察を巡らし,学ぶことを楽しんでもらえたらと思います.
  • 嘎日 瑪蓋 GARI Magai嘎日 瑪蓋 視覚メディア研究室 研究力育成を重視する筑波大学では、実験などの環境が優れているので、自分がしたいと思った研究をでき、その専門的な分野の研究に没頭できます。本プログラムでは、理論性重視の科目から実践性重視の科目まで幅広く履修することができ、研究力強化やキャリアデザインのルートを自分で構築できるいい機会となっています。研究成果を発表する大学院セミナーで、他の学生の多彩な研究を知り、自分の研究を相対的に考えたり、新たなアイデアを思い付いたりすることが研究を進めるのに助かります。自分で発表する機会も学会発表などのためのいい練習になります。また、早期修了制度があるので、私は2年で博士後期プログラムを修了する予定です。研究室と企業の共同研究により、これまでの研究を用いて、実用化の可能性がある、社会や産業の変化に対応可能な研究を果たすことができます。研究内容として、私は3次元位置を正確に把握できなければ実現できない用途への応用を目指して、複数人用高精細な裸眼立体ディスプレイの実現を目標としています。本プログラムは努力すれば報われるような環境に間違いないと信じています。
  • 七種 勇樹 SAIGUSA Yuki七種 勇樹 モーションコントロール研究室 大学院で私は、モーションコントロール研究室に所属し、遠隔操作技術や機械学習を用いた ロボットの制御に関する研究を行いました。 研究活動において大事にしていたことは、学会発表や論文投稿を積極的に行い、多く研究者 と交流することです。 対外的に発信せずに研究室の閉ざされた環境に居続けると、自分の研究に不安を抱くこと や周囲が見えていない研究になってしまうことがあります。しかし、学会に参加し多くの研 究者と議論を交わすことで、自分の研究の優位性や独創性が明確化され、論理構造を整理す ることができました。また、学会発表を自分の小さい目標として設定し、その目標を一つ一 つ達成することで自信に自信が持てました。こうした活動を繰り返すことで、広い知見が養 われ自分の研究に磨きがかかり、最終的に賞を頂ける修士論文を執筆することができまし た。 筑波大学の知能機能学位プログラムでは、学内においても異なる研究室の方と交流する機 会が多く、異分野の斬新かつ率直な意見をいただき刺激になりました。自分の研究内容を話 すことや他者の研究に意見を述べることに初めは抵抗あるかもしれませんが、臆さずに取 り組んでいけばきっと最終的にいい結果を生まれます。ぜひ取り組んでみてください!
  • 遠山 弘晃 TOYAMA Hiroaki遠山 弘晃 サイバニクス研究室 片腕に重度の麻痺を有する自身を含め,多くの人々の生活を支援・豊かにするものづくりをすることが幼い頃からの夢でした.筑波大学には,その夢を実現するために必要な学びの機会,豊富な研究設備,支援制度がありました.知能機能システム学位プログラムには,分野を横断した幅広い知識・技術を基礎から専門まで学べる様々な授業があり,各分野の最前線で活躍される先生方の下で学ぶことができます.私は人・ロボット・情報系を融合複合した新領域であるサイバニクス分野を専門とする研究室に進みました.そして,自身を含む麻痺により片腕が使えない方々が抱える困難の解決に向け,脳神経・筋系情報や音声情報など人の意思・動作に関する様々な情報を介して身体と一体化し,新たな腕となって日常生活を支援するサイバニックロボットアームの研究開発に取り組みました.指導教員の先生による熱心な指導や研究室の仲間の支えにより,実際に支援を必要とする方々への適用まで行い,従来困難であった日常作業の支援の実現に加え,ロボットと身体の感覚的な一体化現象も発見し,作業支援を越えた新たな学術分野を拓く成果をあげることができました.研究生活では,壁にぶつかることもありましたが,幅広い知識や技術,それに基づく豊かな創造力が大きな武器となり,刺激的な研究生活を通してそれらをさらに磨き上げることができています.新しい技術を創り出す楽しさ,これまで不可能であったことが可能となったときの喜びは,格別なものであり,さらなる研究活動・分野開拓を行っていきたいという原動力となっています.
  • 馬場 和那 BABA Kazutomo馬場 和那 サイバニクス研究室 私は,細胞から人の生体組織を作り出す自動培養装置について研究しています.サイバニクス分野の研究で,SF映画のように思えるかもしれませんが,そこには,医学,生物学,工学をはじめとする最先端の様々な科学技術が融合複合されていて,従来は治療が困難な疾患に対する未来の治療法にもつながる非常におもしろい研究領域です.本学位プログラムの特徴である「学際性」の観点からは,私のテーマは異分野融合の最たる例かもしれません.このような研究ができるのは,本サイバニクス研究室に様々な最新の装置や加工機およびバイオ系実験設備があることや,筑波大学動物資源センターなどの研究に取り組む環境が整っていることが大きいです.私は博士前期・後期課程での5年間で7回の国際会議発表,合計5本の査読付原著論文を執筆しました.〆切と戦い,辛口レビューに応え,ロジックを整理していくプロセスは,自分の研究を客観的に見る力や人に伝える力など,今後生きていく上でも大切な力を育んでくれます.きっと皆さんも日々のディスカッションで同様のことをやっていくと思いますが,そのプロセス自体が貴重な財産になると思います.素晴らしい環境は用意されています.熱意をもって挑戦されることを応援しています.
  • 周 柯宇 ZHOU Keyu周 柯宇 機械システム研究室 I studied engineering mechanics for 4 years and got a bachelor’s degree in Shanghai Jiaotong University. When I decided to continue my research in mechanics as a graduate student, I found that the research themes in Nonlinear Mechanical Systems Laboratory are interesting for myself. Then, I entered the master’s program of IIT in the University of Tsukuba as a graduate student. At first, I struggled with the Japanese language barrier, but my professor and lab mates helped a lot for my communication during research and daily life. In my program, there are the interactive poster sessions at the first year and the seminars at the second year, which also mean the check points for the research in the master’s program. In these presentations, my skill of speak have been improved and I got a lot of advice for my research from the professors and students in other laboratories. But they are not just serious tests of the research process, they also allow me to communicate with students of other majors and examine my research from another viewpoint. There are many group meetings in my laboratory. I learned a lot of general mathematical and physical knowledge from the whole lab group meetings and I usually get much advice during my personal meetings with my professor. With the support of my professor and my lab mates, my paper was published in the overseas journal and I have got the chance to give a presentation in the overseas society. After 4 semesters in IIT, I believe I’ve gained a lot of new knowledge in mechanics, but perhaps more importantly, I’ve learned the correct attitude for research. In the future, I will also adhere to this attitude in social life.I studied engineering mechanics for 4 years and got a bachelor’s degree in Shanghai Jiaotong University. When I decided to continue my research in mechanics as a graduate student, I found that the research themes in Nonlinear Mechanical Systems Laboratory are interesting for myself. Then, I entered the master’s program of IIT in the University of Tsukuba as a graduate student. At first, I struggled with the Japanese language barrier, but my professor and lab mates helped a lot for my communication during research and daily life. In my program, there are the interactive poster sessions at the first year and the seminars at the second year, which also mean the check points for the research in the master’s program. In these presentations, my skill of speak have been improved and I got a lot of advice for my research from the professors and students in other laboratories. But they are not just serious tests of the research process, they also allow me to communicate with students of other majors and examine my research from another viewpoint. There are many group meetings in my laboratory. I learned a lot of general mathematical and physical knowledge from the whole lab group meetings and I usually get much advice during my personal meetings with my professor. With the support of my professor and my lab mates, my paper was published in the overseas journal and I have got the chance to give a presentation in the overseas society. After 4 semesters in IIT, I believe I’ve gained a lot of new knowledge in mechanics, but perhaps more importantly, I’ve learned the correct attitude for research. In the future, I will also adhere to this attitude in social life.
  • 上森 理道 UEMORI Masamichi上森 理道 機械システム研究室 筑波大学の研究環境,学んだこと ・知能機能の特徴やメリット ・研究室での生活,学生生活のエピソード 私は、筑波大学の学部時代に学んだ学際性の高い知識を活用できる研究を行いたいと考え、 学部時代から所属する機械システム研究室への進学を決めました。大学院ではマイクロス ケールで原子間力の勾配変化を高感度に計測する研究を行いました。研究では物理現象を モデル化して運動を理論的に考察し、制御を実験で実証するため、様々な知識を必要としま す。実際に私の研究は機械工学の知識の他に、ハード加工、回路作成、プログラミングなど 研究に必要なスキルが多岐にわたりました。様々な知識やスキルが必要となるため、物事が 複雑になることが多々あります。そこで大切にしたことは「素朴に、実直に」ということで す。理論解析や実験を行う前に、何を求めたいのか、そのために何をすればよいのかを 1 つ ずつ丁寧に考えることで、小手先でなく本質を捉えて研究を進めることができました。研究 を進めるにあたって先生が熱心に指導して下さり、また、先輩からもサポートを頂いて、海 外論文へ掲載する事ができました。今後の社会生活においても、この「素朴に、実直に」と いう考え方を大切にしていきたいと思います。
  • 長江 五月 NAGAE Satsuki長江 五月 計算知能・マルチメディア研究室 私は名古屋大学で物理学を専攻し、卒業研究の過程でAI開発の魅力に惹かれ、機械学習に専門を変えるため筑波大学の大学院に進学しました。知能機能システムは私のような分野外の学生に対しても開かれた環境にあるのは大きな魅力だと思います。私の修士課程の研究では、潤沢な計算リソースが必要とされる深層学習を扱いましたが、私の研究室では高性能なGPUを積んだPC・クラウド環境を与えてもらい、大変恵まれた研究環境で実験を行うことができました。大学院で専門を変えた自分でも、修士課程の前半でじっくり基礎を学ぶことで、修士課程2年間の間に国際学会を2回行い、優秀修士論文賞をいただくことができたので、新たな挑戦をしてよかったと思います。就職活動の面でも、機械学習エンジニアとして企業の長期インターンに参加して開発能力を高める機会を与えていただき、大学院進学当初に目指していた機械学習エンジニアとして卒業後は働くことができるようになりました。今後のキャリアでは知能機能システムでの研究活動で得た知見を大いに活かして、日本のAI開発の最前線で活躍できる人材になりたいと思います。
  • 倉友 乃康 KURATOMO Noko 倉友 乃康 知覚拡張システム研究室 私の大学院生活はチャレンジという言葉に尽きます。国際学会発表や論文投稿は何度も行い、酸いも甘いも嚙み分けてきました。 特に印象に残っているのは、本大学の「国際ユニコーン育成プログラム」に参加し、世界最大級のイノベーションハブである「CIC Boston」にてデモンストレーションを行ったことです。研究者だけでなく起業家や投資家と活発な議論を交わし、ベンチャー企業の考え方、そして私の研究が社会にどう還元できるか深く考えることで、研究だけでなく自分自身の成長に繋がる機会となりました。 他にも、私の研究を企業さんと連携することで社会へ橋渡しをしていたり、所属外の任意の研究室に参加する「コラボラトリー演習」では感性デザインを研究するなど、様々な機会に恵まれてきました。 幾度もの学会発表や雑誌投稿が行える研究生活、多くの経験が積める環境は、チャレンジする人を支援する筑波大学および知能機能の特徴だと思っています。大学院でのチャレンジは初めてだらけで何度も失敗しました。その分、成功もし、かげがえのない体験をしてきました。せっかく大学院に進むことを考えているのであれば、専門知識を得るだけでなく、今チャレンジできるからこその経験も学んでいってください。
  • 浦崎 新八郎 URASAKI Shinpachiro浦崎 新八郎 機械システム研究室 僕は知能機能システムに外部から進学して修士2年間,お世話になりました.そのIIT/IMISですが,いわゆる学際的で,応用に偏重したカリキュラムが組まれているかと思いきや,研究に必要な数学的な基礎を重視した科目も多く,僕のような高校と大学に通ったことがない外部生であっても安心して研究に取り組む環境が整っています.初めに徹底的に基礎を学んだからこそ,その後の研究活動が実りの多いものになりました.僕は,非線形ダイナミクスを数学的に解析し,積極的に活用した制御法と,そのマイクロセンサへの応用について研究し,在学中に二報の査読付国際誌に採録されることができました.この研究分野では,非線形ダイナミクスを,「手で解く」ので,とても大変です.iPadとApple Pencilは必須です.その大変な研究において,絶対にうまくいく方法や計画は存在しません.そのような中で,僕は好奇心を大切にし,研究を進める過程から得られる学びを大切にしていました.成果を求める気持ちが強いと,焦りが生まれ,なかなか頭と手が動かなくなっていきます.好奇心から研究をすると,躊躇なく一歩目を踏み出せるようになり,ひとりでに研究が進み,思いもよらなかった成果を発見できました.今後も好奇心を失わないように努力を続けていきます.
  • 神田 大梧 KANDA Daigo神田 大梧 計算知能・マルチメディア研究室 私は鶴岡工業高等専門学校を経て筑波大学大学院に入学しました.大学という初めての環境で,1000人程度の学生しかいない高専しか経験のなかった私はとても緊張していたのを覚えています.しかし,所属した計算知能・マルチメディア研究室はとても自由で自身の方法で研究に取り組め,また,先生方に親切丁寧に研究をサポートしていただき,すぐに研究室や大学院での生活になじむことができました. 修士課程では深層学習ベースの視線推定に関する研究に取り組んでいました.初めての分野でしたが,先輩方や同期と共に学習しながら学び研究に活かすことができました.また,深層学習に必須なGPUなどの環境も最新のスペックのPCを使うことができ環境に対して不自由せずに研究に取り組むことができたと思います.研究室では学会や論文投稿にも積極的に挑戦させていただき,その過程で問題発見能力やその解決手法など社会に出ても重要な能力を培うことができました.この2年間で現在行っている研究をもっと続けたいという気持ちが強くなり博士課程への進学を決定しました.長い道のりですが今後も頑張っていきたいと思います.
  • 佐藤 栄介 SATO Eisuke佐藤 栄介 ヒューマンエージェントインタラクション研究室 私は大学院でヒューマンエージェントインタラクション(人とエージェントの関わり合い)について研究し、具体的には協力ゲームにおいてエージェントのアルゴリズムを人とより協力しやすくなるように改良し、その評価を行いました。理由としてはゲームをプレイするプログラムやエージェントに興味があり、その延長として人と協力しやすいエージェントをゲームという課題で作ってみたいと思ったからです。知能機能システムでは、自分の研究の主分野はもちろんのこと、機械学習や人工知能等、関連する様々な分野を自由に学ぶことができました。これは、必修単位が少なく、多様な学問を横断的に学ぶことができる知能機能システムならではの利点だと思います。また、研究室での輪講や学会での研究発表を通して他の人の考えに触れることによって、自分の専門分野以外の知見も多く得ることができました。これらの経験が現在の自分の糧になっていると感じています。大学院の研究においては、今までの座学のように受動的に学ぶ姿勢だけではなく、自ら進んで課題を見つけてその解決法を探究していく能動的に学ぶ姿勢が求められるので難しく感じるかもしれませんが、学びに対する好奇心を失わず、2年間専心して研究に取り組むことで乗り越えて成長できると思います。
  • 矢倉 大夢 YAKURA Hiromu矢倉 大夢 後藤真孝研究室 機械学習、そしてHuman-Computer Interactionの分野に興味を持っていた私にとって、IntelligentとInteractionという単語を英名に冠するこの修士課程は非常にマッチしたものでした。特に、連携大学院制度を用いて、興味分野に合った研究指導をいただくことができたのはとても大きく、トップカンファレンスでの研究発表や競争的研究資金の獲得に繋げることができました。また教育課程として、そうした研究活動を支える仕組みがあったというのも特筆に値すべき点で、国際学会での発表や論文誌での採択に関連して単位認定をいただけるというのはありがたかったです。メインで取り組んでいる分野ではないですが、機械系についても「機能システムツール演習」といった講義を通じて触れることができたのはよい経験となりました。そうした経験から個人的には、どのようにこのプログラムを活用するか、事前に深く考えておけばおくほどその真価を発揮するようなプログラムになっているのではないかなと思います。ぜひこの自由度の高さを活用しながら、学位プログラムを使い倒してください。
  • 飯田 宗一郎 IIDA Soichiro飯田 宗一郎 エンタテイメントコンピューティング研究室 大学院では、接客敬語訓練システムの研究に取り組みました。簡単に説明すると、接客上の対話をシミュレートし、発話中の敬語の誤用を指摘することで接客敬語の訓練を行うシステムです。私の場合は、ゼロからシステムの実装を始めたので、システム構成をどうするか、コンテンツをどうするか、有用性を示すためにシステムをどのように評価するか、など多くの課題に直面しました。研究を進めるにあたり、所属する研究室のメンバーや先生だけでなく、他の研究室や他大学の先生方から研究に対するアドバイスをいただける環境がありました。自然言語処理と音声情報処理の専門家の先生方からのアドバイスを研究に反映することができ、自分の知識と研究を深めることができました。また、研究は開発するだけで終わりではなく、提案するシステムの有用性などを客観的に評価する必要があります。更に、学会や講義で発表したり論文を執筆する機会もあります。このような研究活動の中で、システムの実装力だけでなく、論理的に考える能力や「相手に伝える力」は在学中に非常に鍛えられました。これらは、社会に出てからも活躍するスキルだと思います。
  • 笠井 勇希 KASAI Yuki笠井 勇希 機械システム研究室 知能機能システム学位プログラムの特長やメリットとして私が感じたことは2つあります. 1つ目の大学周辺の研究機関と協働しやすいことです.大学の周辺に国や企業の研究機関が多いため,これらの機関と共同で研究を行いやすい環境だと思っています.私の所属研究室ではMEMSを用いたセンサの研究を行っていますが,MEMSの製作に関するノウハウは持っていないため,産総研のMEMSの専門家の研究者の方に協力をしていただき,製作方法を教えていただきながら,実験で使用するMEMSを製作しています.学内だけでは行えない研究を外部の専門家の協力を得て実現できることや,それを通して自分の専門外の知識を得られたことは自分にとってメリットだったと思います. 2つ目の研究成果を外部に発表する機会を与えてもらえることです.私自身,研究成果を国際学会で2回発表する機会をいただきました.大学からの支援もあるため,研究成果を発表しやすい環境だと思います.また,知能機能システム学位プログラムでは,研究成果を企業の方々に発表するポスター発表会も企画されています.学外への発表は,準備も必要ですが,学内の先生や学生からは得られないフィードバックなども得られるため,非常に良い経験になったと思います.
  • 河合 真太郎 KAWAI Shintaro河合 真太郎 人工知能研究室 筑波大学が所在するつくば市には多くの研究機関が集まっており,街全体が一体となって様々な試みがなされています.例えば,大学と市が連携して生活支援ロボットの普及を目指すプロジェクトを推進しており,街中では自律ロボットの公道実験が行われています.このように,新しいモノを生み出していくことに対して非常に積極的な土地柄は学生の研究活動とマッチしていると思います.また,民間企業との連携も活発であり,実際に私は自動車の運転を題材にとって人間の運動能力の支援・拡張を目指す研究を自動車会社と共同で行いました.この研究は人間,コンピュータ,機械,センサ,通信など多岐にわたる分野の知見が必要でしたが,知能機能システム専攻には各分野で最先端の研究を行っている先生方がおられたため分野横断的に学ぶことができました.研究室での生活は非常に充実したものでした.私が所属していた人工知能研究室では,先生方や研究員の方々と,そして学生同士でディスカッションする機会が頻繁にあり,一つのテーマを深く掘り下げて考えることの楽しさを知ることができました.また,出身学部・学科が異なる学生や外国人留学生など多様性のあるメンバーに囲まれた環境であったため,様々な視点から新たな気づきや学びを得ることができました.
  • 吉川 弾 YOSHIKAWA Dan吉川 弾 サイバニクス研究室 私は現在,手指に麻痺を持ち,ものをうまく握ることができなくなってしまった方々の把持支援を行う革新的サイバニック・フィンガーに関する研究を行なっています.人に装着し,人と協調して動作する把持支援システムを開発するためには.ロボティクスの知識だけでなく,人体の構造や生体情報計測に関する知識も必要になります.知能機能システム学位プログラムでは多くの研究分野に対して授業が用意されており,その内容も基礎的なものから,実際に使われている技術に触れる実際的なものまで網羅しています.そのため,人・ロボット・情報系を融合したサイバニクス分野など先進的、複合的、学際的な研究分野を開拓していく上で必要な幅広い知識を身につけることができます.研究室の中では,教員の方々や先輩の指導を通して,課題を見つけ解決していく方法,開発に関する知識や技術,文章の書き方,発表における研究の特徴の伝え方,といった学問的知識以外の研究に関わる重要な力を身につけることができます.こうした環境の中で,研究に関して初心者だった自分が一から装着型システムを創り上げ、論文を執筆し、外部に発表できたときの達成感は,さらに研究を進め,分野開拓をしていこうという原動力となっています.研究室の人,そして外部の研究者とのディスカッションを通して自分だけでは思いつかなかったアイデアが生まれ,超えられなかった壁が超えられるなど,日々新しい「気づき」が得られる点も大学院での研究活動の良いところだと思います.入学を考えている皆さん!次世代の開拓者の一員として一緒に未来を拓いていきましょう!.
  • 田島 和真 TAJIMA Kazuma田島 和真 音響システム研究室 私は大学院で音を用いた近距離ディジタル通信に関する研究をしていました.私の所属していた音響システム研究室は,複数の先生方が協力して活動している研究グループで,「センシング」「音響通信」「楽器」「スマート農業」「VR/AR」「生体計測」など信号処理・計測に関する幅広い研究テーマを扱っておりました.巨大な研究グループであったため同期も20人おり,研究室内で他の人の研究に協力することも多く,工学に関する広い知識が得られる環境でした.私が修了する2020年度はコロナウイルスにより,研究室に行く機会が減ってしまいましたが,先生とのメールでのやりとりに加え,研究室の同期・先輩と定期的にオンライン会議で進捗を確認しあい,コロナ前とほとんど変わらず研究を進められることができました.さらに,大学院で3度の学会発表と,査読付き英文誌の執筆も経験させてもらい,自分の研究を発展させながら,最新研究のトレンドを学べる環境がありました.学会発表の間近は夜な夜なの作業が続き大変なことも多くありましたが,それでも厚く指導くださる先生方,高い志をもつ仲間の支えのお陰で,とても刺激的な日々を送れたと感じています.
  • 松原 尚利 MATSUBARA Naoto松原 尚利 画像情報研究室 私は学部時代に情報科学を専攻し、データ構造に関する研究を行っていました。しかし、大学生活の中で映像技術に興味を持ち、大学院ではシステム工学に専攻を変えて本専攻に進学し、映像技術に関する研究を行いました。大学院に進学した当初は専攻分野の変化から専門用語等、分からないことが数多く存在しました。そのような環境下でもプログラミングの知識等、それまでに培ってきたものが活きることもありました。分からないことは先生や同じ研究室のメンバーに聞き、不足している知識を習得しながら研究を進めていきました。研究生活の中で良かったと思うことは、「課題解決力が身についたこと」と「普通ではできない体験ができたこと」です。研究は課題を見つけて解決することの繰り返しだと思います。同一の課題に対して研究室内だけでなく他専攻や学外の人の意見を聞くことで、様々な視点からのアプローチがあることを学びました。そのような経験は、本学には専攻間での交流を積極的に行う風土があることや、学外発表を定期的に行ったことが可能にしていると思います。また、サッカースタジアム内でドローンを飛ばして撮影実験を行ったこと等、貴重な体験ができたことも研究生活の醍醐味の一つであったと思います。
  • Rohan Pratap Singh Rohan Pratap SinghRohan Pratap Singh ヒューマノイド研究室 I had already spent about 1 year in Japan when I decided to enter the University of Tsukuba as a graduate student (master’s program in IIT) in 2019. I wanted to spend dedicated time and effort on robotics research, and the University and this program provided me the perfect space to do so! As a graduate student, I also had the amazing opportunity to work as a trainee and RA at the Joint Robotics Lab (formerly known as Humanoid Robotics Group) at AIST, under the Cooperative Graduate School System. This was an especially incredible setting for me due to my prior association with the lab and strong interest in robotic perception systems. The lab provided me with all the necessary resources and guidance from great robotics researchers to work in an effective manner. In my program, the interactive poster sessions and seminars were particularly exciting - not only did they allow me to learn from the research pursuits of my peers, but also let me discover new domains of activity in intelligent systems. Another feature that I strongly appreciated was the regular and routine assessments through presentations and reports. This ensured continuous progress of research throughout the 4 semester, and prompt feedback from supervisors and other students. I struggled with the language barrier at first, but bilingual professors in the department and the language courses at the University went a long way to ease my journey. I believe I gained a lot of new knowledge during my masters; but, perhaps more importantly, I matured as a student and developed better soft skills. In my experience, the IIT department offers a unique environment to pursue research where a blend of interdisciplinary fields of “intelligent technology” brings about innovation in both theoretical and practical realms. Motivated by my experience thus far, I have decided to continue my research further through the Ph.D. course in IIT.I had already spent about 1 year in Japan when I decided to enter the University of Tsukuba as a graduate student (master’s program in IIT) in 2019. I wanted to spend dedicated time and effort on robotics research, and the University and this program provided me the perfect space to do so! As a graduate student, I also had the amazing opportunity to work as a trainee and RA at the Joint Robotics Lab (formerly known as Humanoid Robotics Group) at AIST, under the Cooperative Graduate School System. This was an especially incredible setting for me due to my prior association with the lab and strong interest in robotic perception systems. The lab provided me with all the necessary resources and guidance from great robotics researchers to work in an effective manner. In my program, the interactive poster sessions and seminars were particularly exciting - not only did they allow me to learn from the research pursuits of my peers, but also let me discover new domains of activity in intelligent systems. Another feature that I strongly appreciated was the regular and routine assessments through presentations and reports. This ensured continuous progress of research throughout the 4 semester, and prompt feedback from supervisors and other students. I struggled with the language barrier at first, but bilingual professors in the department and the language courses at the University went a long way to ease my journey. I believe I gained a lot of new knowledge during my masters; but, perhaps more importantly, I matured as a student and developed better soft skills. In my experience, the IIT department offers a unique environment to pursue research where a blend of interdisciplinary fields of “intelligent technology” brings about innovation in both theoretical and practical realms. Motivated by my experience thus far, I have decided to continue my research further through the Ph.D. course in IIT.
  • 福田 哲生 FUKUDA Tetsuki福田 哲生 感触工学研究室 ここで私が述べたいことは、環境を変えることが自分自身の進歩の大きな手助けになるということです。元々私は学部1年次に本知能機能システム学位プログラムの下部組織となる筑波大学理工学群システム工学学類に入学しました。その後学部3年次に所属する研究室を選び、同時に筑波大学大学院への入学も決めていました。私が研究室を選ぶうえで重要視したことはその研究が世の中を「便利にするもの」なのか「面白くするもの」なのかという点でした。私は後者となる研究がしたいと思い、感触工学研究室というVR技術の一つである触覚に焦点を当てた研究室で、静電気により図柄にその絵の通りの感触が感じられる触覚ポスターの研究を行ってきました。この考えは自身の研究や大学院での授業、同研究室の先輩後輩と共に参加した国際バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)、そして就職活動などを通してはっきりと自分の考えの根幹となっていきました。ここで、この考え方はある日突然自分の中から急に湧いて出たものではないということに気づきました。もし理系に進学していなかったら、もし筑波大学工学システム学類に入っていなかったら、違う研究室を選んでいたら、あの日の先輩のコンテスト参加の誘いを断っていたらまた違った思いや考えにたどり着いていたと思います。もしくはそんな考えに至ることもなく日銭を稼ぐ仕事を選んでいたかもしれません。環境によって自分の知識が広がっていき、そこから自らの考えを持てるようになっていくのではないでしょうか。これから入学を考える皆さんにはそういった自分の可能性を伸ばし、広げられると思う所へ進んでいただきたいです。私は本学位プログラムに進学し間違いなく成長できたと確信しています。
  • 荒川 和樹 ARAKAWA Kazuki荒川 和樹 柔軟ロボット学研究室 柔軟ロボット学研究室に配属された私に,指導教員の望山洋先生から「英国Edinburgh大学のFrancesco Giorgio-Serchi博士と共同で新型流体アクチュエータを開発する」という研究提案の話をいただきました.世界トップレベルのEdinburgh大学との共同研究は得難い貴重な経験になるだろうと思い,その研究テーマに挑戦することに決めました.  初めのうちは難航しましたが,研究室メンバーから加工方法等のアドバイスを得ながら研究を進め,ついに,ソフトロボティクスを駆使した新しい流体アクチュエータを完成させることができました.この成果を英語論文としてまとめることになり,初めての経験で四苦八苦しながらも,望山先生とGiorgio-Serchi博士からの指導の下で,ロボティクス分野のトップレベルのレター誌であるIEEE Robotics and Automation Lettersに投稿することができました.しかも,この論文は査読で高評価を得て,修士1年生で査読付きレター誌に掲載されるという快挙となりました.  このような成果を得られたのは,筑波大学の環境のおかげであると思っています.アクチュエータの設計,解析には研究室で開発したシミュレータが不可欠であり,実験に必要な部品の多くは大学や研究室の所有する高精度な3Dプリンターや工作機械により加工しました.そして,Giorgio-Serchi博士との繋がりが得られたのは,筑波大学の研究機関としてのレベルの高さがあってこそだと思います.また,授業のレベルも高く,得られた知識は研究の参考になりました.  大学院に進学してからまだ1年ですが,こんなに多くの経験を得られてとても満足しています.残り1年も有意義に研究に励みたいと思います.
  • 玉井 航太 TAMAI Kota玉井 航太 サイバニクス研究室 知能機能システム専攻の研究分野は,人間工学,ロボット工学,計測・制御工学,情報学など多岐にわたり,自身の興味に合わせて学際的・分野横断的に研究することができます. 私は,人間と機械,情報系が密接に関わるような研究がしたいと考え,人・ロボット・情報系が融合した新領域であるサイバニクス研究室に進み人支援技術に関する最先端研究に取り組みました. 研究を始めた当初は,新領域への挑戦なので手探りも多く苦労しましたが,指導教員の先生をはじめ研究室の先輩方が厳しくも温かくサポートしてくださり,目指す研究到達点から逆算し,課題解決方法を導き出す論理的思考力が鍛えられ,良い研究を行うことができました.研究生活は楽しくもありながら苦難の連続でしたが,自分の研究開発するシステムが社会から必要とされ,未開の領域を開拓していくことを強く実感することができ,やり甲斐を感じながら研究をやり抜くことができました. 卒業後は,筑波大学で培った知識・経験を活かし,社会貢献・分野開拓できるような人材になることを目指して邁進していきたいと思います.